24時間で一回転する惑星で暮すために

 

 佐藤先生とお話をしていると、様々な事象をより大きな視点、視野、視覚で捉えようとされていることを感じます。

 たとえば、患者さんが痛みを訴える患部に着目するのではなく、常に患者さんの身体全体を見ていること、今その時点で起こっている症状を、その患者さんの一生という時間軸の中で位置づけして捉えていること、また、肉体という器の内側で起こっている事柄を、その患者さんが置かれた外側の環境との係わりの中で知ろうとされていることです。そして、まさにこれらが漢方の根本となる考え方なのだということが、佐藤先生のお話しをお聞きしているうちにわかってきました。

 さて、今回は私自身のことについて相談をしてみました。私が身体に不調を感じるようになったのは、二年ほど前。急に仕事が忙しくなり、連日徹夜に近い状態が続いてからのことでした。気が付くと、すっかりと夜型の生活になってしまっていました。

 佐藤先生は、こんな図を描いて説明をしてくれました。

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 それは、一日24時間ごとに、規則正しく上下する波の図でした。

 「理想的なのは、日中この波が高い状態の時に活動をして、波が低くなる時に夜を向かえ就寝することです。しかし、この規則的な波の上下がなんらかなの形で崩れてくると、波の日中に低い状態(うつ状態)になったり、その逆に夜に波の高い状態となり、眠れなくなるなどの症状が生じてきます。」

 佐藤先生のお話しは、24時間という単位で規則正しく自転している地球をイメージさせるものでした。そして、この地球の自転によって生れる規則正しい波の中に暮す私。夜型の不規則な生活は、この当たり前の事柄、地球の自転にさえ逆らおうとしていることに気が付きました。体調が崩れてしまうのは当たり前のことですね。

 もうしばらく、佐藤先生の鍼灸治療の力をお借りして、私自身の体内の波を整えてゆこうと思います。

 
 
(文/青樹洋文 ただいま治療中…)


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